園の理念④ 小さい子を助けてあげる心
年長さんになると、子どもたちは大人顔負けの歌唱力を身につけたり、縄跳びや鉄棒ができるくらいに運動能力が発達します。
こうして身体能力がついてくるにつれて、誰もが自信に満ち、余裕が少しずつ生まれてきます。
年少の子が帰り支度をしています。
荷物をまとめ、帽子をかぶり、最後に靴を履きます。
でもうまく履くことができません。
そんな時、年長の子が手を優しく取り、靴を履くのを手伝ってあげました。
こうした光景は、青い鳥幼稚園ではごくごく日常のひとコマです。
「小さな子に親切にしてあげてね」と、子どもたちが年長さんに進級する前に、先生は頼みます。すると、昨日まで大声を上げて走り回っていたわんぱくさんが、優しい声をかけながら小さな子を助けます。
先生は「手伝ってあげなさい」とは一言も言いません。
でも年長さんは、自分で困っている子を見つけ、自から進んで手伝ってあげています。
青い鳥幼稚園の子どもたちは、自分より力の弱い子や小さい子を守ろうとします。
自分達が年少の頃に助けてもらったことを思い出し、当たり前のように年少さんを助ける─。
子どもたちは成長するにつれ、私たちが驚くような、知恵の深さと温かい心を発揮します。
それは、年長の子どもたちの心に自尊心と助け合いの価値観が育ち、心の視野が高く広くなって、心に余裕が生まれてくるからなのです。
なかまとともに成長し、先生に温かく見守られながら、自分より小さい子どものことも考えられるようになる─。
青い鳥幼稚園で育ってきた子どもたちは、こうした『生きる力』を身につけ、知的好奇心を楽しみながら満たし、さらに大きな世界へとはばたいていきます。